Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
大庭さんの媒酌で、おたくと縁談が整うて、こんなうれしいことはないと思うとりましたが、……肝腎の本人の方が、……」
「絹子さんが?」
「もう、とっくの昔、色男を作って居りまして、……」
金五郎は、きっと眦をあげて、藤本の顔を見た。浅黒い、眉の太い、精悍な長顔である。
藤本は、照れくさそうに、頭をかきながら、
「申しわけないのは、こちらでした。今日にでも、大庭さんのところへ、お詫びに出ようかと存じていたんです。いやはや」
(嘘を、いっている)
金五郎には、それが、すぐに、わかった。そして、藤本喜八郎という人物に、あらためて、心を惹かれた。前に、数度逢ったときにも、信頼するに足る人物のように思っていたけれども、さらに、その感を深くした。普通の者であったならば、かんかんに怒るにちがいない。金五郎を罵倒し、席を蹴って立つであろう。そうされても仕方がないのである。
「そうですか。そんなら、おたがいさまというところでしたな」
金五郎も白ばくれて、そういった
「玉井さん」藤本は、膝を進めて、「今度のことは、子供同士の不始末、わたし等には関係のないことというてもええです。前々から、あなたとは御昵懇に願いたいと考えて居りました。