Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

「それはみみずじゃないよ。ごかいだよ」

「ははあ」

「みみずににているけれども、ゴカイしちゃいけない」

「ハッハハハハ」

と書生の杉山が手をうって喝采した。この男はおせじ使いだから、若様がたがしゃれをいうと笑いころげる。

お台場の沖へ出るとみんなソロソロ支度にかかった。秋の好晴だから、ほかにも釣り舟がたくさん出ている。

「今日は僕がまた一番槍だぜ」

と照彦様がいった。

「若様にはとてもかないません」

と杉山が調子をあわせる。

「数ではまけませんが、口明けだけはいつも若様に持ってゆかれてしまいます」

と富田老人もあきらめている。

「なあに、今日は私がやります」

と黒須さんは確信があるようだった。

しかし一番槍は照彦様でも黒須先生でもなく、正三君だった。ごかいをつけて糸を下ろすか下ろさないに、

「釣れた釣れた!」

といいながら、大きなぼらを引き上げて、

「なんでしょう? これは」

ときいた。

「とにかく魚ですな」

と杉山は問題にしなかった。

「バカだよ、それは。内藤なんかに釣られる魚はりこうではないにきまっている」

と照彦様がくやしがった。富田さんと黒須先生は糸を下ろして顔を見合わせた。