Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

照彦様は大の字なりに寝たまま、いくらおこしてもおきない。わざと声をたてて泣く。この騒ぎに、照常様がお部屋から出てきて、

「どうした? 照彦」

とむろん正三君に嫌疑をかけた。

「申しわけありません」

「喧嘩か?」

「いいえ」

と正三君は首をうなだれた。

「照彦、おきろ」

「はあ」

と照彦様はおきるやいなや、

「こん畜生!」

と正三君をなぐりつけた。

「こら!」

と照常様がとりおさえる。力が強いから、照彦様はいくらあばれても仕方がない。

「エヘン」

と咳ばらいの音がきこえて、安斉先生が学監室からあらわれた。

「どうなさいましたかな?」

「二人で喧嘩です。ばかな奴らです」

と照常様はおとなぶった。

「いいえ、僕がなんにもしないのに、内藤君がいきなりかかってきて首をしめたんです」

と照彦様が泣きながら訴えた。

「内藤君」

「はあ」

「それではきみは若様にお手むかいを申しあげたのですか?」

「はあ」

「不都合千万」

「申しわけございません」

「ちょっと学監室へおいでなさい」

と安斉先生はこわい顔をして先に立った。

正三君は学監室へついていって、先生と向きあったとき、涙をホロホロこぼして、

「先生、申しわけありません」