Classici giapponesi con furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate
「二人でたたきおとそう」
と発起した。
「危ないです」
「きみは勇気がないな。それじゃ相撲に勝ってもだめだ」
「…………」
「さあ、肝だめしだ。一二三でたたいて逃げだそう」
「逃げる肝だめしなんかありません」
「こわいものだから理屈をいっている」
「それじゃさされても知りませんよ」
と正三君も今はよんどころなく、鉄砲を逆にした。
実は二人ともこわいのだった。しかしこうなるとおたがいに意地で仕方がない。木の枝を分け蜘蛛の巣をはらっておく深く進んだ。実に大きな巣だ。一年や二年でできたものでない。電燈のかさぐらいある。ことわざにも蜂の巣をつついたようだという。すでに三発見まわれて、ブンブンうなっている。それを叩いたのだからたまらない。二人はほとんど同時に、
「アッ!」
と叫んで、その場にひれふした。顔と頭をやられたのである。今は見栄も外聞もない。主従先をあらそって逃げだした。
「痛い。頭中が熱い」
と照彦様は畑まできて立ちどまった時、涙を流していた。
「ひどい目にあいました。若様、ここでひやしましょう」
と正三君はかたわらの井戸を指さした。二人はそこで応急手あてにとりかかった。