Classici giapponesi con furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate
押問答に、小半時かかればとって、直ぐに突ん流れるような疾え水脚では、コレ、無えものを、そこは他国の衆で分らねえ。稲妻を掴えそうな慌て方で、ざぶざぶ真中で追かける、人の煽りで、水が動いて、手毬は一つくるりと廻った。岸の方へ寄るでねえかね。
(えら!気の疾え先生だ。さまで欲しけりゃ算段のうして、柳の枝を折ぺっしょっても引寄せて取ってやるだ、見さっせえ、旅の空で、召ものがびしょ濡れだ。)と叱言を言いながら、岸へ来たのを拾おう、と私、えいやっと蹲んだが。
こんな川でも、動揺みにゃ浪を打つわ、濡れずば栄螺も取れねえ道理よ。私が手を伸すとの、また水に持って行かれて、手毬はやっぱり、川の中で、その人が取らしっけがな。……ここだあ仁右衛門、先生様も聞かっせえ。」
と夜具風呂敷の黄母衣越に、茜色のその顱巻を捻向けて、
「厭な事は、……手毬を拾うと、その下に、猫が一匹居たではねえかね。」
十七
訓導は苦笑いして、
「可い加減な事を云う、狂気の嘉吉以来だ。お前は悪く変なものに知己のように話をするが、水潜りをするなんて、猫化けの怪談にも、ついに聞いた事はないじゃないか。