Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くさめいきゅう

草迷宮

泉 鏡花

Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate

Aozora Bunko

」

「お前様もね、当前だあこれ、空を飛ぼうが、泳ごうが、活きた猫なら秋谷中私ら知己だ。何も厭な事はねえけんど、水ひたしの毛がよれよれ、前足のつけ根なぞは、あか膚よ。げっそり骨の出た死骸でねえかね。」

訓導は打棄るように、

「何だい、死骸か。」

「何だ死骸か、言わっしゃるが、死骸だけに厭なこんだ。金壺眼を塞がねえ。その人が毬を取ると、三毛の斑が、ぶよ、ぶよ、一度、ぷくりと腹を出いて、目がぎょろりと光ッたけ。そこら鼠色の汚え泡だらけになって、どんみりと流れたわ、水とハイ摺々での――その方は岸へ上って、腰までずぶ濡れの衣を絞るとって、帽子を脱いで仰向けにして、その中さ、入れさしった、傍で見ると、紫もありゃ黄色い糸もかがってある、五色の――手毬は、さまで濡れてはいねえだっけよ。」

「なあよ、宰八、」

「何だえ。」

仁右衛門は沈んだ声で、

「その手毬はどうしたよ。」

「今でもその学生が持ってるかね。」

背後から、訓導がまた聞き挟む。

「忽然として消え失せただ。夢に拾った金子のようだね。へ、へ、へ、」

とおかしな笑い方。

「ふん、」

と苦虫は苦ったなりで、てくてくと歩行き出す。