Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate
と黄母衣を一つ揺上げて、
「濡れちゃいねえが、ヒヤリとしたでね、可い塩梅よ、引込んだのは手棒の方、」
へへ、とまた独りで可笑がり、
「こっちの手で、ハイ海へ落ちさっしゃるお日様と、黒門の森に掛ったお月様の真中へ、高くこう透かして見っけ。
しゃぼん球ではねえよ。真円な手毬の、影も、草に映ったでね。」
「それがまたどうして消えた、馬鹿な!」
と勢込む、つき反らした杖の尖が、ストンと蟹の穴へ狭ったので、厭な顔をした訓導は、抜きざまに一足飛ぶ。
「まあ、聞かっせえ。
玉味噌の鑑定とは、ちくと物が違うでな、幾ら私が捻くっても、どこのものだか当りは着かねえ。
(霞のような小川の波に、常夏の影がさして、遠くに……(細道)が聞える処へ、手毬が浮いて……三年五年、旅から旅を歩行いたが、またこんな嬉しい里は見ない、)
と、ずぶ濡の衣を垂れる雫さえ、身体から玉がこぼれでもするほどに若え方は喜ばっしゃる。」
十八
「――(この上誰か、この手毬の持主に逢えるとなれば、爺さん、私は本望だ、野山に起臥して旅をするのもそのためだ。)
と、話さっしゃるでの。村を賞められたが憎くねえだし、またそれまでに思わっしゃるものを、ただわかりましねえで放擲しては、何か私、気が済まねえ。