Classici giapponesi con furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Leggi 草迷宮 (くさめいきゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.733 caratteri · 142 schermate
そこで、草原へ蹲み込んで、信にはなさりますめえけんど、と嘉吉に蒼い珠授けさしった……」
しばらく黙って、
「の、事を話したらばの。先生様の前だけんど、嘘を吐け、と天窓からけなさっしゃりそうな少え方が、
(おお、その珠と見えたのも、大方星ほどの手毬だろう。)と、あのまた碧い星を視めて云うだ。けちりんも疑わねえ。
(なら、まだ話します事がござります、)とついでに黒門の空邸の話をするとの。
(川はその邸の、庭か背戸を通って流れはしないか。)
と乗出しけよ。……(流れは見さっしゃる通りだ)……」
今もおなじような風情である。――薄りと廂を包む小家の、紫の煙の中も繞れば、低く裏山の根にかかった、一刷灰色の靄の間も通る。青田の高低、麓の凸凹に従うて、柔かにのんどりした、この一巻の布は、朝霞には白地の手拭、夕焼には茜の襟、襷になり帯になり、果は薄の裳になって、今もある通り、村はずれの谷戸口を、明神の下あたりから次第に子産石の浜に消えて、どこへ灌ぐということもない。口につけると塩気があるから、海潮がさすのであろう。その川裾のたよりなく草に隠れるにつけて、明神の手水洗にかけた献燈の発句には、これを霞川、と書いてあるが、俗に呼んで湯川と云う。