Classici giapponesi con furigana
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に
荷
金 史良
Leggi 荷 (に) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1179 caratteri · 3 schermate
棒の両端に叺を吊して、ぶらんぶらん担ぎ廻る例の「皆喰爺」が、寮の裏で見える度に、私は尹書房を思い出すのだ。
尹さんは少しはましのチゲ(担具)労働者である。然し土壇場にまで突き込まれて、喜劇ならぬかわった意慾の生活を弄する点では、全く同じいだろう。
早朝起き上ると、尹さんは先ず自分の版図を検分し出すのだ。崩れかかった彼の小屋が、しょんぼり立つ低湿地の一帯は、書房の心の中では、彼の所領と定められている。地面に境界の線を引き廻ったりして、夢中になる。
終日街を出歩いて、三十銭も稼げぬことだろう。今日はどうでした? と夕頃つい出会って、問いかけでもしたら、彼は直様癖の手を頭にやって、
「なあ学生さん」と嘯くのだ。「偉え不景気でがしてのう」
彼は裸一貫である。何時かの述懐に依ると、二男一女が一時に熱病でやられているが、信用はおけない。唯彼の女房が産褥で悶死したことだけは、どうにか事実だと云われている。
今年の夏なども帰国すると、尹書房はどうして嗅ぎ付けたものか、最早その翌日には、庭先に件のおどおどした体を現わしたことである。彼は喰ってかかる様に、突拍子に叫んだのだ。