Classici giapponesi con furigana
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くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
Leggi 荷風随筆集(下) (くさもみじ) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.512 caratteri · 63 schermate
山人は誠に畸人であって、わたくしの方から是非にといって頼むことは一向してくれないが、頼みもしない事を、時々心配して世話をやく妙な癖があった。或日わたくしに向って、何やら仔細らしく、真実子供がないのかと質問するので、わたくしは、出来るはずがないから確にないと答えると、「それはあなたの方で一人でそう思っていられるのじゃないですか。あなた自身も知らないというような落胤があって、世に生存していたらおかしなものですな。」と言う。
「むかしの小説や芝居なら知らないこと、そんな事はあり得ないはなしだ。」とわたくしは重ねて否定したが、しかし人生には意表に出る事件がないとも限らぬから、わたくしは帚葉山人が言った謎のような言葉を、そのまま茲に識して置くのである。
○
繁殖を欲しなければ繁殖の行為をなさざるに若くはない。女子を近づけなければ子供のできる心配はない。女子を近づけながら、しかも繁殖を欲しないのは天理に反いている。わたくしはかつて婦女を後堂に蓄えていたころ、絶えずこの事を考えていた。今日にあっても、たまたま蘭燈の影暗きところに身を置くような時には、やはりこの事を考える。