Classici giapponesi con furigana
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くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
Leggi 荷風随筆集(下) (くさもみじ) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.512 caratteri · 63 schermate
正宗谷崎両氏の批評に答う
去年の秋、谷崎君がわたくしの小説について長文の批評を雑誌『改造』に載せられた時、わたくしはこれに答える文をかきかけたのであるが、勢自作の苦心談をれいれいしく書立てるようになるので、何となく気恥かしい心持がして止してしまった。然るにこの度は正宗君が『中央公論』四月号に『永井荷風論』と題する長文を掲載せられた。
わたくしは二家の批評を読んで何事よりもまず感謝の情を禁じ得なかった。これは虚礼の辞ではない。十年前であったなら、さほどまでにうれしいとは思わなかったかも知れない。しかし今は時勢に鑑みまた自分の衰老を省みて、今なおわたくしの旧著を精読して批判の労を厭わない人があるかと思えば満腔唯感謝の情を覚ゆるばかりである。知らぬ他国で偶然同郷の人に邂逅したような心持がしたのである。
かつて大正十五年の春にも正宗君はわたくしの小説及雑著について批評せられたことがあった。その時わたくしは弁駁の辞をつくったが、それは江戸文学に関して少しく見解を異にしているように思ったからで、わたくしは自作の小説については全く言う事を避けた。自作について云々するのはどうも自家弁護の辞を弄するような気がして書きにくかった故である。