Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かつしかすなご

葛飾砂子

泉 鏡花

Leggi 葛飾砂子 (かつしかすなご) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.677 caratteri · 37 schermate

Aozora Bunko

さらさらと掻食って、掻食いつつ菊枝が支えかねたらしく夜具に額をあてながら、時々吐息を深くするのを、茶碗の上から流眄に密と見ぬように見て釣込まれて肩で呼吸。

思出したように急がしく掻込んで、手拭の端でへの字に皺を刻んだ口の端をぐいと拭き、差置いた箸も持直さず、腕を組んで傾いていたが、台所を見れば引窓から、門口を見れば戸の透から、早や九時十時の日ざしである。このあたりこそ気勢もせぬが、広場一ツ越して川端へ出れば、船の行交い、人通り、烟突の煙、木場の景色、遠くは永代、新大橋、隅田川の模様なども、同一時刻の同一頃が、親仁の胸に描かれた。

「姉や、姉や、」と改めて呼びかけて、わずかに身を動かす背に手を置き、

「道理じゃ、善いにしろ、悪いにしろ、死のうとまで思って、一旦水の中で引取ったほどの昨夜の今じゃ、何か話しかけられても、胸へ落着かねえでかえって頭痛でもしちゃあ悪いや、な。だから私あ何にも謂わねえ。

一体昨夜お前を助けた時、直ぐ騒ぎ立てればよ、汐見橋の際には交番もあるし、そうすりゃ助けようと思う念は届くしこっちの手は抜けるというもんだし、それに上を越すことは無かったが、いやいやそうでねえ、川へ落ちたか落されたかそれとも身を投げたか、よく見れば様子で知れらあ、お前は覚悟をしたものだ。