Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

と大きな手はやっぱり前へ突き出したままである。

「ちょっと出ますんでございますが、つい無人だもので、出よう出ようと思いながら、とうとう御無沙汰になりまして……」で少し句が切れたから大和尚が何か云おうとすると、謎の女はすぐ後をつける。

「まことに相済みません」で黒い頭をぴたりと畳へつけた。

「いえ、どう致しまして……」ぐらいでは容易に頭を上げる女ではない。ある人が云う。あまりしとやかに礼をする女は気味がわるい。またある人が云う。あまり丁寧に御辞儀をする女は迷惑だ。第三の人が云う。人間の誠は下げる頭の時間と正比例するものだ。いろいろな説がある。ただし大和尚は迷惑党である。

黒い頭は畳の上に、声だけは口から出て来る。

「御宅でも皆様御変りもなく……毎々欽吾や藤尾が出まして、御厄介にばかりなりまして……せんだってはまた結構なものをちょうだい致しまして、とうに御礼に上がらなければならないんでございますが、つい手前にかまけまして……」

頭はここでようやく上がる。阿父はほっと気息をつく。

「いや、詰らんもので……到来物でね。アハハハハようやく暖かになって」と突然時候をつけて庭の方を見たが