Classici giapponesi con furigana
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のみ
蚤
斎藤 茂吉
Leggi 蚤 (のみ) di 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2585 caratteri · 6 schermate
蚤という昆虫は夏分になると至るところに居るが、安眠を妨害して、困りものである。
生れ故郷の村にも蚤は沢山いたが、東京という大都会には蚤なんか居ないだろうと想像して、さて東京に来てみると、東京にも蚤が沢山いた。
それは明治二十九年時分の話で、僕は浅草の三筋町に住んでいた。その家(浅草医院といった)の診察室に絨緞が敷いてあったが、その絨緞を一寸めくると、蚤の幼虫も沢山つかまえることが出来た。それから繭をつくって、蛹になったのも居た。僕はそれ等をあつめ、重曹の明瓶などに飼っていたことがある。無論蚤の成虫もつかまえて飼って居た。時々前膊の皮膚に瓶の口を当てて血を吸わせたりする。蚤の雄が一瞬に飛ついて雌と交尾したりするありさまを見る。蛹がようやく色が濃くなって成虫になるありさまを見る。瓶の口には紙のふたをし、針でこまかい穴をあけて置けば死なずに居る。
中学校を卒えて高等学校に入った。そこの寄宿寮に二年いたが、寝室に蚤が沢山いて安眠がどうしても出来ない。それにストームなどという習慣があり、学生が酒に酔って来て、折角寝入ったものを起してあるくので、益々眠れなくなる。