Classici giapponesi con furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate
この前のときの手巾も真白であった。どうも青野季吉は癇癪持らしい、あの日、不意に立って向うの椅子に行ったのもそうらしかった。
小松ストアというデパートの裏口に立った季吉さんを見かけたのは、つい一年前のことであったが、私はつれの娘に青野季吉がデパートの裏の入口に、のろい足どりで歩いているのはへんだ。ああいう恰好の隙だらけの容子をそのままどうしようもないところに、何かがあるんだと娘の肩を小突いた。それはおなじ老来の私に愉しい隙間見であった。私はそこまでかなり距離があったが一ととおり挨拶の後には、季吉さんは異常なげに微笑していられた。この信州に立つ前に季吉さんのお葬いに行き、くるまが途中で衝突して顔色を失ったまま告別式におくれて出かけたが、失った顔色に斎場の窮屈さが一そう石みたいな顔立にしたらしく、後で或る人があの日どうしてあんなに皺苦茶に昂奮していたんだと言ったから、くるまが衝突してそこで血の気をうばわれたのだと正直に答えた。
私は寒気がして寝所にあがったが、あぐらをかいた恰好といい、黒い手を二本持っているぐあいといい、さらに手の先の鋏のような指を持っている状態が蟹も蟹、川蟹にそっくりなのに呆れた。