Classici giapponesi con furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.726 caratteri · 90 schermate
こんなことは嘗て私になかったことだ。ちょっとした着換えをすると縁側に出て皆のすることも見ないで、自分自身さえどうなるのか判らないあいまいな気であった。このあいまいの気が時間のうえで少しも修正されずに過ぎ、私は大病院の一室の寝台にすっぽりと細れて寝ることになった。皆のすることも見ずに睡ったふりであった。此処がおちつく先であったのかと、今年はとうとう夏という季節も知らずにすごしたせいか、向いの亜米利加大使館附属の白堊のビルがかがやくのに、夏の日のうずまきをおぼえた。
診断は左のろくまくに故障があってレントゲンの陰影を見ることと、咳のため気管に甚だしい荒れ模様が見られるということであった。閉尿はゴムのくだを入れてこれを誘致するという最後の治療であったが、これらの主治医の診断にもかかわらず私は私自身を放棄する立場を感じたのは物臭さからであった。軽井沢では毎晩の湿布とか氷枕とか、うがいなぞを自分からはじめていたが、此処ではにわかにどうなったっていいや、此処は患者という名の意志のない奴の寝ころがっている一つの断崖なのだ、此処から転がりこむところは決っている。