Classici giapponesi con furigana
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せみのびとぞうけい
蝉の美と造型
高村 光太郎
Leggi 蝉の美と造型 (せみのびとぞうけい) di 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3286 caratteri · 7 schermate
私はよく蝉の木彫をつくる。鳥獣虫魚何でも興味の無いものはないが、造型的意味から見て彫刻に適するものと適さないものとがある。私は虫類に友人が甚だ多く、バッタ、コオロギ、トンボ、カマキリ、セミ、クモの類は親友の方であり、カマキリの三角あたまなどには殊に愛着を感じ、よく自分の髪の毛を抜いて彼に御馳走する。カマキリは人間の髪の毛が非常に好きで進呈すると幾本でも貪り食う。恐れるという事を知らない彼の性質も中々おもしろい。しかし彼は彫刻にはならない。形態が彫刻に向かない。バッタ、コオロギも其点では役に立たない。トンボには銀ヤンマのような堂々たる者もあり、トオスミトンボのような楚々たる者もあり、アカトンボのようなしゃれた者もあって、一寸彫刻に面白そうに思えるが、これがやはり駄目。彫刻的契機に乏しい。作れば作れるが作ると却て自然の美と品位とを害い、彫刻であるよりも玩具に近い、又は文人的骨董に類するものとなる。其点でセミは大に違う。彼はその形態の中にひどく彫刻的なものを具えている。しかも私が彼を好むのはむろん彫刻以前からの事である。
子供は皆この生きた風琴を好む。