Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじん

行人

夏目 漱石

Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate

Aozora Bunko

彼はその時女から始めてここの病院と院長の名前を聞いた。

「僕もそう云う所へちょっと入ってみようかな。どうも少し変だ」

三沢は冗談とも本気ともつかない調子でこんな事を云って、女から縁喜でもないように眉を寄せられた。

「それじゃまあたんと飲んでから後の事にしよう」と三沢は彼の前にある盃をぐっと干して、それを女の前に突き出した。女はおとなしく酌をした。

「君も飲むさ。飯は食えなくっても、酒なら飲めるだろう」

彼は女を前に引きつけてむやみに盃をやった。女も素直にそれを受けた。しかししまいには堪忍してくれと云い出した。それでもじっと坐ったまま席を立たなかった。

「酒を呑んで胃病の虫を殺せば、飯なんかすぐ喰える。呑まなくっちゃ駄目だ」

三沢は自暴に酔ったあげく、乱暴な言葉まで使って女に酒を強いた。それでいて、己れの胃の中には、今にも爆発しそうな苦しい塊が、うねりを打っていた。

*       *       *       *

自分は三沢の話をここまで聞いて慄とした。何の必要があって、彼は己の肉体をそう残酷に取扱ったのだろう。己れは自業自得としても、「あの女」