Classici giapponesi con furigana
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こうじん
行人
Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate
やっと云うのは両手へ力を入れて差し上げる時の声なんだよ。それを三人とも夢中になって熱心にやっていたが、熱心なせいか、誰も一口も物を云わない。おれは明らかな月影に黙って動く裸体の人影を見て、妙に不思議な心持がした。するとそのうちの一人が細長い天秤棒のようなものをぐるりぐるりと廻し始めた……」
「何だか水滸伝のような趣じゃありませんか」
「その時からしてがすでに縹緲たるものさ。今日になって回顧するとまるで夢のようだ」
兄はこんな事を回想するのが好であった。そうしてそれは母にも嫂にも通じない、ただ父と自分だけに解る趣であった。
「その時大阪で面白いと思ったのはただそれぎりだが、何だかそんな連想を持って来て見ると、いっこう大阪らしい気がしないね」
自分は三沢のいた病院の三階から見下される狭い綺麗な通を思い出した。そうして兄の見た棒使や力持はあんな町内にいる若い衆じゃなかろうかと想像した。
岡田夫婦は約のごとくその晩また尋ねて来た。
四
岡田はすこぶる念入の遊覧目録といったようなものを、わざわざ宅から拵えて来て、母と兄に見せた。それがまた余り綿密過ぎるので、母も兄も「これじゃ」