Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうじん

行人

夏目 漱石

Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate

Aozora Bunko

と驚いた。

「まあ幾日くらい御滞在になれるんですか、それ次第でプログラムの作り方もまたあるんですから。こっちは東京と違ってね、少し市を離れるといくらでも見物する所があるんです」

岡田の言葉のうちには多少の不服が籠っていたが、同時に得意な調子も見えた。

「まるで大阪を自慢していらっしゃるようよ。あなたの話を傍で聞いていると」

お兼さんは笑いながらこう云って真面目な夫に注意した。

「いえ自慢じゃない。自慢じゃないが……」

注意された岡田はますます真面目になった。それが少し滑稽に見えたので皆なが笑い出した。

「岡田さんは五六年のうちにすっかり上方風になってしまったんですね」と母が調戯った。

「それでもよく東京の言葉だけは忘れずにいるじゃありませんか」と兄がその後に随いてまた冷嘲し始めた。岡田は兄の顔を見て、「久しぶりに会うと、すぐこれだから敵わない。全く東京ものは口が悪い」と云った。

「それにお重の兄だもの、岡田さん」と今度は自分が口を出した。

「お兼少し助けてくれ」と岡田がしまいに云った。そうして母の前に置いてあった先刻のプログラムを取って袂へ入れながら、「馬鹿馬鹿しい、骨を折ったり調戯われたり」