Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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らしんのにょせん

裸身の女仙

野村 胡堂

Leggi 裸身の女仙 (らしんのにょせん) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.437 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

千疋狼の餌に裸女を山へ

「近頃、峠へ千疋狼が出るぞ、危ないことだ、泊って行かっしゃい」

そう言ってくれる里人の注意を聞流して、何処かと言えば臆病な安城郷太郎が、夜の山道へ駕籠を入れたのは仔細あり気です。

千疋狼の餌に裸女を山へ

「女、お前の故郷に来たぞ、降りろ」

郷太郎は駕籠からお鳥を引出させました。

「殿様」

お鳥は思わず声を立てました。少しやつれては居るが、相変らずの美しさ、

「お前の顔を見ると、未練なようだが、俺は斬られなくなる。そこで、領地へ用事で帰る序に、お前を故郷へ帰そうと思って伴れて来たのだ」

「…………」

郷太郎の残虐な目論見が次第に判ったものか、お鳥はぞっと身を顫わせます。

「お前は、此碓氷峠で育った相だ、しかも裸体で――」

「…………」

「裸体で此山から出たお前を、裸体で此山へ帰す――、俺の仕事はそれで済む。その上、里で聴くと近頃此峠へ千疋狼が出るそうだ。それも、お前の昔馴染だろう。夜と共に吠え明かせ、ハッハッハッハッ」

苦い笑が、郷太郎の頬を痙攣さして、洞ろな声が、夜の林にカラカラと木精します。

「えッ、畜生ッ」お鳥は歯を食いしばりましたが、此処まで運んだ郷太郎の悪戯を、思い止まらせることなどは出来そうもありません。