Classici giapponesi con furigana
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せいりんず
西林図
久生 十蘭
Leggi 西林図 (せいりんず) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.309 caratteri · 21 schermate
一
一
冬木が縁の日向に坐って、懐手でぼんやりしているところへ、俳友の冬亭がビールと葱をさげてきて、今日はツル菜鍋をやりますといった。
「ツル菜鍋とは変ってるね」
「ツル菜じゃない、鶴……それも、狩野流のリウとした丹頂の鶴です。鶴は千年にして黒、三千年にして白鶴といいますが、白く抜けきらないところがあるから、二千五百年くらいのやつでしょう」
「そんなものなら自慢することはない。むかし、鶴の罐詰というのがあって、子供のころ、よく食わされた……丹頂の鶴が短冊をくわえて飛んでいる極彩色のレッテルを貼って、その短冊に『千年長命』と書いてあるんだ。こんなものを食ったおかげで、千年も長生きをするんじゃたまらないと思って、子供心ながら、だいぶ気にした」
「あなたのお話は、いつも、どこかズレているのでハラハラしますよ。それは人魚のまちがいでしょう。長寿にあやかるということはありますが、鶴を食って長生きをしたという伝承はないはずです。それに、罐詰の鶴の正体は、朝鮮の臭雉というやつなんでして、知らぬこととはいいながら、よけいな心配をしたもんです」
「まことしやかに、なにかいうね。