Classici giapponesi con furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Leggi 註文帳 (ちゅうもんちょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.770 caratteri · 67 schermate
「もし、唯今のお話は、たしか幾日だとかおっしゃいましたね。」
五
五助は目金越に、親仁の顔を瞻っていたが、
「やあ作平さんか、」といって、その太わくの面道具を耳から捻り取るよう、ぎはなして膝の上。口をこすって、またたいて、
「飛んだ、まあお珍しい、」と知った中。捨吉間が悪かったものと見え、
「作平さん、かね。」と低声で口の裡。
折から、からからと後歯の跫音、裏口ではたと留んで、
「おや、また寝そべってるよ、図々しい、」
叱言は犬か、盗人猫か、勝手口の戸をあけて、ぴッしゃりと蓮葉にしめたが、浅間だから直にもう鉄瓶をかちりといわせて、障子の内に女の気勢。
「唯今。」
「帰んなすったかい、」
「お勝さん?」と捨吉は中腰に伸上りながら、
「もうそんな時分かな。」
「いいえ、いつもより小一時間遅いんですよ、」
という時、二枚立のその障子の引手の破目から仇々しい目が二ツ、頬のあたりがほの見えた。蓋し昼の間寐るだけに一間の半を借り受けて、情事で工面の悪い、荷物なしの新造が、京町あたりから路地づたいに今頃戻って来るとのこと。
「少し立込んだもんですからね、」
「いや、御苦労様、これから緩りとおひけに相成ます?」