Classici giapponesi con furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Leggi 註文帳 (ちゅうもんちょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.770 caratteri · 67 schermate
「ところが不可ないの、手が足りなくッて二度の勤と相成ります。」
「お出懸か、」と五助。
「ええ、困るんですよ、昨夜もまるッきり寐ないんですもの、身体中ぞくぞくして、どうも寒いじゃアありませんか、お婆さん堪らないから、もう一枚下へ着込んで行きましょうと思って、おお、寒い。」といってまた鉄瓶をがたりと遣る。
さらぬだに震えそうな作平、
「何てえ寒いこッてございましょう、ついぞ覚えませぬ。」
「はッくしょい、ほう、」と呼吸を吹いて、堪りかねたらしい捨吉続けざまに、
「はッくしょい! ああ、」といって眉を顰め、
「噂かな、恐しく手間が取れた、いや、何しろ三挺頂いて帰りましょう。薄気味は悪いけれど、名にし負う捨どんがお使者でさ、しかも身替を立てる間奥の一間で長ッ尻と来ていらあ。手ぶらでも帰られまい。五助さん、ともかくも貰って行くよ。途中で自然からこの蓋が取れて手が切れるなんざ、おっと禁句、」とこの際、障子の内へ聞かせたさに、捨吉相方なしの台辞あり。
五助はまめだって、
「よくそう謂いなせえよ、」
「十九日かね、」と内からいう。
「ええ、御存じ、」といいながら、捨吉腰を伸してずいと立った。