Classici giapponesi con furigana
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ゆうかいしゃ
誘拐者
山下 利三郎
Leggi 誘拐者 (ゆうかいしゃ) di 山下 利三郎 (やましたりさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7834 caratteri · 16 schermate
アハ……、あれ計りのものを亡くしたからって決して悔てはいませんよ、吾々の幸福なことはまだまだ外にあります、……あれにはあれとして進むべき道がありますからね、啓いてやりたいと思うのです、……幸福にしてやるために、払う犠牲は惜しいとは思いませんよ……」
茶を運んできた此家の美しい奥様は、耳朶を染めながら嬉気に頬笑んだ。
楽しい新家庭に訣をつげて、春日と渡邊が事務所へかえったのは、燈がついてからであった。渡邊は漸く笑ましげに、
「ねエ先生、中岡という家の奥様は、若しや?」
「今判ったのか、ゆき子に違いないのさ、探偵学でも研究するものは、頭を敏活に働かせねばいかんよ、まあ掛け給え、事件の推理方法を説明しよう。
初めに見たゆき子宛の脅迫状は、書簡箋にインキでかいてあったが、その筆蹟はどうしても筆記を永年やりつけた者か、職業的にペンを使用する人に通有の癖があったから、智識階級の仕事だと睨んだ、これが第一歩だが君は娘の部屋を見たね、鏡台の抽出と机を除いて、余り冷たく生帳面に整理されてあったよ、娘の部屋として不似合にね、箪笥は平素錠を下さない