Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいのあなにかっぱのいること

貝の穴に河童の居る事

泉 鏡花

Leggi 貝の穴に河童の居る事 (かいのあなにかっぱのいること) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.260 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

大温にして小毒あり、というにつけても、普通、私どもの目に触れる事がないけれども、ここに担いだのは五尺に余った、重量、二十貫に満ちた、逞しい人間ほどはあろう。荒海の巌礁に棲み、鱗鋭く、面顰んで、鰭が硬い。と見ると鯱に似て、彼が城の天守に金銀を鎧った諸侯なるに対して、これは赤合羽を絡った下郎が、蒼黒い魚身を、血に底光りしつつ、ずしずしと揺られていた。

かばかりの大石投魚の、さて価値といえば、両を出ない。七八十銭に過ぎないことを、あとで聞いてちと鬱いだほどである。が、とにかく、これは問屋、市場へ運ぶのではなく、漁村なるわが町内の晩のお菜に――荒磯に横づけで、ぐわッぐわッと、自棄に煙を吐く艇から、手鈎で崖肋腹へ引摺上げた中から、そのまま跣足で、磯の巌道を踏んで来たのであった。

まだ船底を踏占めるような、重い足取りで、田畝添いの脛を左右へ、草摺れに、だぶだぶと大魚を揺って、

「しいッ、」

「やあ、」

しっ、しっ、しっ。

この血だらけの魚の現世の状に似ず、梅雨の日暮の森に掛って、青瑪瑙を畳んで高い、石段下を、横に、漁夫と魚で一列になった。

すぐここには見えない、木の鳥居は、海から吹抜けの風を厭ってか、窪地でたちまち氾濫れるらしい水場のせいか、一条やや広い畝を隔てた、町の裏通りを――横に通った、正面と、撞木に打着った真中