Classici giapponesi con furigana
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かいのあなにかっぱのいること
貝の穴に河童の居る事
泉 鏡花
Leggi 貝の穴に河童の居る事 (かいのあなにかっぱのいること) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.260 caratteri · 32 schermate
――仔細は、魚が重くて上らない。魔ものが圧えるかと、丸太で空を切ってみた。もとより手ごたえがない。あのばけもの、口から腹に潜っていようも知れぬ。腮が動く、目が光って来た、となると、擬勢は示すが、もう、魚の腹を撲りつけるほどの勇気も失せた。おお、姫神――明神は女体にまします――夕餉の料に、思召しがあるのであろう、とまことに、平和な、安易な、しかも極めて奇特な言が一致して、裸体の白い娘でない、御供を残して皈ったのである。
蒼ざめた小男は、第二の石段の上へ出た。沼の干たような、自然の丘を繞らした、清らかな境内は、坂道の暗さに似ず、つらつらと濡れつつ薄明い。
右斜めに、鉾形の杉の大樹の、森々と虚空に茂った中に社がある。――こっちから、もう謹慎の意を表する状に、ついた杖を地から挙げ、胸へ片手をつけた。が、左の手は、ぶらんと落ちて、草摺の断れたような襤褸の袖の中に、肩から、ぐなりとそげている。これにこそ、わけがあろう。
まず聞け。――青苔に沁む風は、坂に草を吹靡くより、おのずから静ではあるが、階段に、緑に、堂のあたりに散った常盤木の落葉の乱れたのが、いま、そよとも動かない。