Classici giapponesi con furigana
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かいのあなにかっぱのいること
貝の穴に河童の居る事
泉 鏡花
Leggi 貝の穴に河童の居る事 (かいのあなにかっぱのいること) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.260 caratteri · 32 schermate
のみならず。――すぐこの階のもとへ、灯ともしの翁一人、立出づるが、その油差の上に差置く、燈心が、その燈心が、入相すぐる夜嵐の、やがて、颯と吹起るにさえ、そよりとも動かなかったのは不思議であろう。
啾々と近づき、啾々と進んで、杖をバタリと置いた。濡鼠の袂を敷いて、階の下に両膝をついた。
目ばかり光って、碧額の金字を仰いだと思うと、拍手のかわりに――片手は利かない――痩せた胸を三度打った。
「願いまっしゅ。……お晩でしゅ。」
と、きゃきゃと透る、しかし、あわれな声して、地に頭を摺りつけた。
「願いまっしゅ、お願い。お願い――」
正面の額の蔭に、白い蝶が一羽、夕顔が開くように、ほんのりと顕われると、ひらりと舞下り、小男の頭の上をすっと飛んだ。――この蝶が、境内を切って、ひらひらと、石段口の常夜燈にひたりと附くと、羽に点れたように灯影が映る時、八十年にも近かろう、皺びた翁の、彫刻また絵画の面より、頬のやや円いのが、萎々とした禰宜いでたちで、蚊脛を絞り、鹿革の古ぼけた大きな燧打袋を腰に提げ、燈心を一束、片手に油差を持添え、揉烏帽子を頂いた、耳、ぼんの窪のはずれに、燈心はその十筋七筋の抜毛かと思う白髪を覗かせたが、あしなかの音をぴたりぴたりと寄って、半ば朽崩れた欄干の、擬宝珠を背に控えたが。