Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あかいガラスのきゅうでん
赤いガラスの宮殿
小川 未明
Leggi 赤いガラスの宮殿 (あかいガラスのきゅうでん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 4930 caratteri · 10 schermate
独りものの平三は、正直な人間でありましたが、働きがなく、それに、いたって無欲でありましたから、世間の人々からは、あほうものに見られていました。
「あれは、あほうだ。」と、いわれると、それをうち消すもののないかぎり、いつしか、そのものは、まったくあほうものにされてしまうばかりでなく、当人も、自分で自分をあほうと思いこんでしまうようになるものです。平三も、その一人でありました。
夏のはじめのころであります。
往来を歩いていると、日ごろ、顔を知っている、村に住む若夫婦が旅じたくをしてきかかるのに出あいました。男は、なにか大きな荷を背負っています。後から、やさしい若い女房が、手ぬぐいを頭にかぶって、わらじをはいてついてきました。
「どこへいくんだな。」と、平三は、びっくりした顔をしてたずねました。
「旅へ出かけるだよ。この村にいたっていいことはない。旅へいってうんと働いてくるだ。平さんも、いかないか。」
「いつ、この村へ帰るだ。」
「それは、わからない。」
「旅って、どこだな。そこへさえいけばどんないいことがあるけい。」
「それは、広いだ。どこって、おちつく先は、わからないが、たんといいことがあると聞いているから出かけるだよ。