Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.351 caratteri · 43 schermate
「幸いお松のほうでも猪之におぼしめしがあったようで、話はまとまるようすでしたが、こんどはあっしも用心した」と藤吉は云った、「それで、水戸の仕事が終って、帰ってから話をきめる、それまでは内談ということにしておこう、ということで、猪之にも納得させました」
藤吉は水戸へゆき、相模屋の普請にかかった。仕事のことは関係がないから略すが、隠居という人が例の少ない凝り性で、初めに契約した図面に幾たびも手を入れるし、普請場に付きっきりで文句を云ったり、終った仕事をやり直させるという始末で、藤吉はいきりたつ職人をなだめたり、隠居を説き伏せたりするのに精をきらした。そんなふうだから仕事もはかどらず、雨の多い年でもあったが、棟上げまでに四十日近くもかかった。こうして三月になり、江戸から建具屋が職人を伴れて来たが、そのすぐあとで猪之がひょっこりあらわれた。
――頭梁がいけと云ったから来た。
彼はそう去った。大工の仕事はもう手が余っている、半分は江戸へ帰そうとしていたときなので、藤吉はおかしいなと思い、なにかわけがあるんだろうと問い詰めた。
――じつはおれから頼んだんだ、と猪之はばつが悪そうに云った。