Classici giapponesi con furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Leggi 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) di 谷 譲次 (たにじょうじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.926 caratteri · 332 schermate
のまま固化した裏通り、zig zag につづく木柵、剃刀みたいにひやりと頬に接吻して行く松花江の風、そよぐ白楊と巻きあがる馬糞の粉と、猶太女の買物袋と帝政時代の侍従長のひげと。
過去と未来が奇しく交響する、哈爾賓はいつもたそがれの街だ。
そこでは、朝も昼も真夜中も、すべてが夕ぐれの持つ色とにおいで塗りつぶされて、その歴史もその市民も、坂も空地も商業街も電柱も石ころも、それらの発散する捨鉢な幻怪味と蟲惑も、音楽も服装も食物も、みんな落日を浴びて長い影を引いている。言わば、小さな暴君に飽かれて顧みられない玩具。Or ――発狂した悪魔詩人が、きまって毎夜の夢にさまよう家並み、それがこのハルビンである。
ホテルの三階の部屋から私は下の往来を見おろしていた。女学生らしい赤い帽子の露西亜少女が、青い林檎をかじりながら手を上げて、泥だらけの乗合自動車を停める。兵卒みたいな腕力家の車掌が荷物のように彼女を摘みあげて行った。蒙古人の皮鞋匠が石だたみに道具を並べて、眼のまえの通行人の足をぼんやり眺めている。靴直しだ。支那人が鶏を抱いてくる。盗んできたものに相違ない。