Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
「あの黒い鬚を生やいた奴は日本人じゃろうか」
「うん、あれがあの女のキリシタンの亭主らしい」
「あいつが篠崎の耳に口ば附けてあなたはこの婦人を愛しますかと云うた時には、俺は死ぬほどおかしかったぞ」
「うん。俺もマチットで我慢しとった屁をば屁放り出すところじゃった。あん時ばっかりは……」
「花嫁御も娘御も泣きござったなあ――」
「そらあ悲しかろう。いくら連れ添うても十日と保たん婿どんじゃけんになあ。太閤記の十段目ぐらいの話じゃなか」
「仁三郎が黙って合点合点する内に、夫婦で指輪ば、取り換えたが、あの時も、可笑しかったぞ」
「うん。仁三郎の指は、平生でも大きい上に、腫れ上っとるけに指輪も三十五円も出いて○○の鉢巻位の奴をば作っとる。それに花嫁御の分は亦、並外れて小さいけに取り換えてもアパアパどころじゃない。俺あ、それば見て考えよると可笑しゅうて可笑しゅうてビッショリ汗かいた」
「誰か知らんが、その後の御詠歌のところで大きな声でアクビしたぞ」
「あれは俺たい。あの御詠歌の文句ばっかりは判らんじゃった。恵比須様が味噌漉でテンプラをば、すくうて天井へ上げようとした。死ぬる迄可愛がろうとしたバッテン天婦羅が天井へ行かんちうて逃げた……なんて聞けば聞く程馬鹿らしいけに俺がそうっとアクビしたところがそいつが寝ている篠崎に伝染って、これも