Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
そうっとアクビしたけに、俺あ良い事したと思うた。病人も嘸アクビしたかったろうと思うてな――」
「何時間かかったろうかい」
「俺あ時計バッカリ見よった、二時間と五分かかったが、その最後の五分間の長かった事。停車場で一時間汽車ば待っとる位長かった」
「うん。何にせい珍らしいものば見た」
「仁三郎も途方もない嬶アば持ったのう」
「仁三郎はやっぱりよう考えとるバイ。達者な内にあげな嬶アばもろうて、あげな歌バッカリ毎日毎晩歌わにゃならんちうたなら俺でも考える」
「第一魚市場の魚が腐る」
「アハハハッ……人間でも腐る。俺は聞きよる内に腰から下の方が在るか無いか判らんごとなった、生命にゃかえられんけに引っくり返ってやろうかと何遍思うたか知れん」
「俺は袴の下に枕を敷いとったが、あのオチニの風琴の音をば聞きよる内に、自分の首が段々細うなって、水飴のごとダラアと前に落ちようとするけに、元の肩の上へ引き戻し引き戻ししよったらその中に済んだけに、思わずアーメンと云うたら、涎がダラダラと袴へ落ちた、まあだ変な気持がする」
「ああ非道い目に遭うた。どこかで一杯飲み直そうじゃないや」
「ウアイー賛成! 賛成! 助かりや助かりや、有難や有難や、勿体なや、サンタ・マリア……一丁テレスコ天上界。