Classici giapponesi con furigana
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きんがんげいしゃとめいきゅうじけん
近眼芸妓と迷宮事件
夢野 久作
Leggi 近眼芸妓と迷宮事件 (きんがんげいしゃとめいきゅうじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.490 caratteri · 23 schermate
ソンナ事とは夢にも知らない絶体絶命だ。頼みの綱はコレ一つ……兇器さえ見付かればこっちのもの……東京市中を持ちまわって、一軒一軒虱潰しに出所を調べてまわっても構わない覚悟で、飯田町一帯の材木置場の隅から隅まで鋸屑を掻きまわしたもんだ。
笑い事じゃないんだよ。一口に迷宮事件というけれども、迷宮事件の裏面にはコンナ苦労がドレ位積み重なっているか知れないのだよ。しまいには九段下から大手あたりのお堀へかけての大捜索まで遣ってもらったが、古バケツ、底抜け薬鑵、古下駄、破れ靴、犬猫や、傘の骨以外には何一つ引っかかって来ない。新聞にはその大捜索の状況を写真にまで出したが、吾々はただ、そうして笑われているような気がしたばっかりだった。
とうとう事件発生後、三個月目に完全な迷宮入り、捜索打切の宣告を聞いた時の残念さ、無念さ……それは絶対にお役目気質とか何とかいうもんじゃなかったよ。吾々仲間の根性とでもいおうか。事件の筋道が尻切トンボになって、有耶無耶になった不愉快さといったらないね。家へ帰っても二三日は飯が不味くて嬶を相手に癇癪ばかり起していたもんだが……むろん初めの騒ぎが大きかっただけに、警視庁が新聞からメチャメチャに野次り倒された事は云う迄もない。