Classici giapponesi con furigana
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きんがんげいしゃとめいきゅうじけん
近眼芸妓と迷宮事件
夢野 久作
Leggi 近眼芸妓と迷宮事件 (きんがんげいしゃとめいきゅうじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.490 caratteri · 23 schermate
しかし事実は文字通りに「警視庁の無能」「犯人大成功」なんだからチューの音も出なかった訳だよ。
ところが、こうした徹底的な迷宮事件……手がかりのなくなった完全犯罪が、それから一年も経った後に、思いがけない愛子の非道い近視眼のお蔭で目星が付いたんだから皮肉だろう。
不思議……そうだねえ。ちょっと聞くと、ずいぶん不思議な、神秘的な話に聞えるだろう。ところが事実は何でもない。何ともいえない人情に絡んだ憐れな話なんだ。
ちょうどそれから丸一年経った明治四十二年の、やはり四月の中頃の事だった。むろん次から次に起る事件に逐われて、金兵衛殺しなんか忘れている時分だったが……。
雨はショボショボ降るし、事件も何もなし……というので、仲間と一緒に警視庁の溜りで雑談をしていると、給仕が面会人を取次いで来た。
「築地の友口愛子……大至急お眼に掛りたい……」
と云って小さな名刺を一枚渡した。
トタンにドキンとしたね。一年前の苦心をズラリと思い出しながら慌てて立上ったよ。コンナ場合に、コンナ調子でヒョッコリ面会を求めに来る事件の中の女は十中八九、何かしら重大な手がかりを持って来るものなんだ。