Classici giapponesi con furigana
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きんがんげいしゃとめいきゅうじけん
近眼芸妓と迷宮事件
夢野 久作
Leggi 近眼芸妓と迷宮事件 (きんがんげいしゃとめいきゅうじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.490 caratteri · 23 schermate
「わからなくともいいからアラカタの風采でいいんだ。二人とも紳士風だったかね」
「いいえ。一人は青い服を着た職工さんで、もう一人は黒い着物を着た番頭さんのような方でした」
「その職工みたいな男の人相は……」
彼女はいよいよ恐ろしそうに椅子の中に縮み込んだ。
「あの……鳥打帽を……茶色の鳥打帽を眉深く冠っておられましたので、よくわかりませんでしたが、モウ一人の方はエヘンエヘンと二つずつ咳払いをして、何度も何度も唾をお吐きになりました」
「アハハ。そうかそうか、それは色の黒い、茶の中折を冠った、背の高い男だったろう。金縁の眼鏡をかけた……」
愛子はビックリして顔を上げた。
「……どうして……御存じ……」
俺は直ぐに呼鈴を押して給仕を呼んだ。
「オイ。給仕、控室の石室君にチョット来てもらってくれ」
「かしこまりました」
石室刑事は直ぐに来た。
「何だ何だ……ウンこの婦人かい。昨日月島の渡船場で一緒に乗ったよ。どうかしたんかい……ナニ。一緒に乗った職工かい、ウン知ってるよ。深川の紫塚造船所の製図引で大深泰三という男だよ。社会主義者の嫌疑で一度調べた事がある。高等工業にいたとかいうがチョットお坊ちゃん風のいい男だよ。