Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
「失礼ですが――佐々伸子さんですか?」
「ええ」
「いかがです、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)は――」
そう云いながら伸子のよこに空いていた椅子にかけ、その人は名刺を出した。名刺には比田礼二とあり、ベルリンの朝日新聞特派員の肩がきがついていた。比田礼二――伸子は何かを思い出そうとするような眼つきで、やせぎすの、地味な服装のその記者を見た。いつか、どこかで比田礼二という名のひとが小市民というものについて書いている文章をよんだ記憶があった。そして、それが面白かったというぼんやりした記憶がある。伸子は、名刺を見なおしながら云った。
「比田さんて……お書きになったものを拝見したように思うんですけれど――」
「…………」
比田は、苦笑に似た笑いを浮べ、口さきだけではない調子で、あっさりと、
「あんなものは、どうせ大したもんじゃないですがね――」
と云った。
「あなたのモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)観がききたいですよ」
「……なにかにお書きになるんじゃ困るわ、わたしは、ほんとに何にもわかっていないんだから」
「そういう意味じゃないんです。ただね、折角お会いしたから、あなたのモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)印象というものをきいてみたいんです」