Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
しかし、ロンドンのホテルで多計代の帯をしめてやっているのは泰造だろうか。それともつや子だろうか。小枝はその連想へまで自分をひきこむ気持のない明るさ、はなやかさで、
「お母様の英語って、しっかりしていらっしゃるのね。びっくりしたわ、船で話していらっしゃるのを伺って……」
「そりゃ、あの時代は、津田梅子先生じきじきのおしこみだったんだもの――私の主人さえ出なけりゃ、お母様の英語も、大丈夫よ」
「あら、その話、わたしまだ知らないわ。ねえ、お兄様」
家族のなかにはいって暮すようになってからまだ程もないひとらしく小枝が和一郎をかえりみた。
「小枝ちゃんだって案外気がつかないで云っているんじゃないの、和一郎さんのことを、宅だの主人だのって。――いつだったかニューヨークから建築家のブランドンさんが不意に、お父様のお留守に訪ねて来たことがあったのよ。そのとき、お母様が玄関へお出になったのはよかったけれど、私の主人は不在ですっておっしゃったの。まさか宅を直訳してハウス(家)とは云えないってことをとっさに判断なすったのは大したものよ」
「なるほどねえ。――ありそうなこった!」