Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate

Aozora Bunko

「何か手伝いましょうか」

「いや、もうこれでいいんです」

素子も露台のところへ出て来て腰をおろした。

「ここからの街の風景は昼間も面白いですよ、ペレールあたりなんかより、ずっと趣がふかい。生活があふれているからね」

「そりゃそうだわ、あっちで見えるのはブルヴァールの並木だけですもの」

蜂谷良作はペレールへ佐々泰造を訪ねて、アパルトマンも知っていた。彼がパリにいることが伸子と素子にわかったのも、泰造が偶然知人のところでそこに来合わせていた蜂谷良作にあって、話が出たからのことなのだった。

段々ひえて来る夜ふけの空の下で、蜂谷良作は伸子と素子とに、くもの巣のようにいりくんで互に連関しながらはりめぐらされているフランスの国際金融資本の動きと、それによって養われている十字火団のようなフランスのファシスト団体の話をした。その中核であるパリ・オランダ銀行の総裁のフイナリはアメリカのスタンダード石油のフランス代表であり、ドイツの銀行、電気、化学工業トラストに関係していて、大戦中はドイツから資本の出ているノルウェイ窒素の重役としてドイツへ硫酸ソーダを供給していたので、大戦後はイタリーへ亡命していた。