Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
その思いつきはあっさりしていて、伸子を躊躇させる何もなかった。
伸子は、ハンド・バッグから小さい手帳を出して、そのうしろに蜂谷良作が書きつけて行ったクラマールの八四五という電話を呼び出した。蜂谷は在宅だった。伸子は、ごくかいつまんで、今朝のあらましを話した。
「ふらちな男だな。どういうんだろう。僕が行って談判してみてもいいですよ」
「ありがとう。でも、それはいいんです」
今さら、男のひとに出てもらう気は、伸子になかった。
「ただね、もしかしたら、部屋の事でお心あたりがあるかしらと思って」
「――じゃこうしましょう、僕はどうせ、きょう午後から用事があって市内へ出るから、そうだなあ……二時ごろになるかな、そちらへよって見ましょう――ペレールでいいんでしょう?」
よびたてたようで、伸子は気がひけた。
「そんなことは、かまわない。どうせ、ついでなんだから……」
蜂谷良作は、その午後約束の時間に伸子をたずねて来た。
六
蜂谷良作とつれだって、伸子はその日のうちにエトワール附近にある貸室をみに行った。ペレールのアパルトマンの古風さにくらべると、新式で軽快な建物の三階の一室だった。