Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate

Aozora Bunko

「ああいう場所へ、すぐぴったりできるんだから。――僕なんかには、つくづくいくじがないインテリ根性があると思った。――てれちゃうんだ」

会場で伸子が感じたことが、蜂谷の側から語られているのだった。

「ここまで来ればもうついそこなんだから、ちょっと休んで行きましょう、いいでしょう?」

冬の並木の裸の枝々を照している灯かげからすこしはなれて、石のベンチがあるところだった。伸子は、またまた、彼にほだされながら意気銷沈する自分を見とおし、それに抵抗するように、

「十一月の夜って、石のベンチにいい季節?」

はじめから、いそいで歩いているのでもない二人の歩調をゆるめなかった。

「僕は、実のところ、伸子さんに会ったのがおそろしいんだ」

「…………」

「僕に、新しい人生が見えはじめている。それを追求しずにはいられなくなってしまった。――だのに、佐々さんは、パリからいなくなろうとしているんだ……ね、伸子さん、僕は、どうしたらいいんだ」

ファシズム反対の労働者集会からのかえり路に、自分と蜂谷という男女の間には、こうした会話がかわされる。それは、伸子をばつのわるい思いに赤面させ、また悲しくさせる蜂谷の甘えだった。