Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate

Aozora Bunko

で、きみの書いたものをほしがっているそうだよ」

と云った。

「書けたら送ってやるといいね」

「わたしの書くものでも役に立つならば送ります」

「役に立つどころか、必要だよ。出来るだけルポルタージュでも何でもかいてやんなさい」

伸子は、ふとユーモラスな気になった。山上元の「自伝」の中に、クリスチャンだった青年時代の彼が、小説はみだりがましいものだと感じたという一節があったのを思い出したのだ。そして下宿先の主婦に、文学のねうちというものを説明されたが、どうも納得しかねた、という感想が書かれていた。それからのち、革命家として変転の多い生涯を送りつづけて、七十歳になった山上元が、果して日本のどんな小説をよんでいることだろう。伸子がソヴェト同盟へ来るまでにかいていた小説を、山上がよんでいないことだけは、最も確実だと思えた。それなのに、どこから彼は伸子に「戦旗」にかけとすすめるのだろう。「戦旗」にのっているベルリン通信のような、階級的な角度のつよい文章が自分にかけるとも伸子に思えないのだった。伸子は笑いながら、

「わたしの書いたものなんか、これまでおよみになったことないでしょう」