Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
「あ、ちょっとたのむものがある。待ってくれ」
と、とめた。彼は、寝台と反対の壁ぎわにつくりつけられている高い書棚から二冊の本をもって来た。
「これは、きみにやる」
ヴェーラ・フィグネルの伝記であった。ロシア革命家叢書のうちの一冊で、革命から間もない一九二二年に出版されているその本は、そのころの窮乏をものがたってわら半紙のように粗末な用紙に印刷されている。
「フィグネル、知っているんだろう? 人民の意志党の婦人闘士だった女だ」
石版刷されているヴェーラの細面で凜とした写真を見ている伸子に、山上は、
「こっちは、翻訳してもらいたいんだ」
同じような装幀の一冊を示した。ネチャエフの伝記だった。
「組織へはいりこんでいたスパイを制裁した男だ。レーニングラードの薬学校の裏の洞窟で――」
ずっと昔よんだドストイェフスキーの「悪霊」の一場面が、急にはっきり思い出された。同じようなレーニングラードの何かの専門学校の裏山の洞窟、そこで制裁される背信の若者。それらがドストイェフスキー独特の暗さと蒼白さとで描かれていた。
「ドストイェフスキーが小説にかいている事件かしら」
それにとりあわず、山上元は、