Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
それで結構だ」
須美子は、まじめな表情できいていたが、いくらか唐突に、
「磯崎は、とても勉強家なんですの」
と云った。
「日本のかたが、こっちへいらっしゃって、随分無駄に時間もお金もつかっていらっしゃるのを見ているもので、磯崎は、それをひどくきらって、勉強のことしか考えていないんですの」
パリできまった勉強の目的をもたない伸子や素子が、しげしげ磯崎の家庭に出入りすることで、夫婦の生活のこれまでの気分や調子が乱されはしまいかということを、須美子よりも恭介の方がよりつよく意識し、それをさけようとしている気分のあることが、そういう須美子の話しのかげから感じられるのだった。
「あれじゃ須美子さんがかあいそうだ」
あとで二人きりになったとき素子が伸子に云った。
「磯崎君は神経質すぎるよ。エゴイスティックだ。もうすこし須美子さんものびのびさせてやらなくちゃ。いくら子供があるったって、須美子さんだって絵をやろうと思って結婚したんだろうし、パリへだって来ているんだろうのに、あれじゃ、あのひととしては、日本にいるより苦しいにきまってる」
佃との家庭生活で、人をさけたがる良人をもつ若い妻の世の中をふさがれた思いを経験している伸子は、自分たちに訪ねられたときの須美子の表情に敏感だった。