Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
「何かあったらしいが、これだけじゃわからない」
ニュースにおどろいて、その朝から二人の間にあった感情のわだかまりを忘れている伸子に、しずかに新聞をかえした。
「いずれにしたって、あの連中は大丈夫さ。外国人だもの」
「わからないわ。どっちもじっとしていそうもない人たちなんだもの」
ワルシャワのあの広場のカフェーに逃げこんだときの女二人の自分たちの姿を伸子は思い浮べた。雨あがりの空に響いてパン、パン。と二つ鳴ったピストルのような音も。――どういう意味で、ベルリンにそれほどの混乱がおこったのか、わけがわからないだけ、伸子はいろいろ不安に想像した。
「きのうの新聞をぜひ見つけましょうよ、ね」
カフェーを出ると、伸子はさっきのキオスクへとってかえした。その店には、前日のしかなかった。青く芽だっているリンデンの街路樹の下に佇んで、伸子は五月三日づけの外電をよんだ。ベルリン騒擾第二日という見出しで、数欄が埋められている。できるだけはやく、事件の輪廓をつかもうとして、伸子は自分の語学の許すかぎり、記事をはす読みした。ベルリンでメーデーの行進が禁止されていたことがわかった。