Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
伸子は、気のつまる話の末に、くつろぎたくて、
「そりゃ、小枝ちゃんみたいに、きれいな若い奥さんをもてば、汗をかかせている姿なんか見せたくないでしょうけれどね」
と、すこし笑った。
「小枝ちゃんの、いいところよ。そういういいところで、和一郎さん、もしかしたら、あなた小枝ちゃんの御亭主になれているのかもしれないのに」
しかし、和一郎は、むっとしている顔つきをゆるめず、白眼の光る視線で伸子をちらりと見た。
「僕は、そういう自分の気分で、小枝のことをいうんじゃないんだ。小枝だって、僕の気もちを、姉さんにそういう風に話すなんて変だ。僕は、おっかさんの、あの荷物がいやなんだ」
伸子の顔にも緊張があらわれた。和一郎は、保の分骨がはいっている錦のつつみものをさしているのだった。パリへついてからずっと、それは、いま二人とも出かけていないアンテルナシオナールの泰造と多計代の室の、奥に並んだ二つの寝台の間におかれている枕テーブルの上に飾られてあるのだった。
「僕たちにしろつや子にしろ、みんなおっかさんは気の毒だと思って、それぞれにやって来ているんだ。そうでも思わないんなら、ここまで来るもんか。