Classici giapponesi con furigana
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とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
Leggi 遠野へ (とおのへ) di 水野 葉舟 (みずのようしゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.903 caratteri · 117 schermate
それよりも私がこの人達とこうして、顔を見合わしているのですら、この人々に東京の刺激を与えるのを見た。
この人々にとって東京は、華やかな太陽だ。
酒はにがかったが、私達はすっかり酔った。その家を出た時には、もうすっかり夜が更けていた。この山間の町は、黒く眠っている。その中を凍ったような風が吹いていた。
四
三月三十一日。
わずかにとろっとしたと思うと起こされた。もう夜が明けている。頭を上げたが睡眠が不足なので瞼がはれたように重い。顔がさぞ黄ばんでいることだろう。
起き上ろうとすると、S君が待ちかねたように、
「君、馬車が駄目だそうだ。」と言う。
「駄目とは?」私は起き返ったまま、なんとも見当がつかぬので、下からS君の顔を見上げた。昨夜の酒の酔いが頭の奥にまだ残っているようで、身体がふらふらする。
「今ね、宿のものが来て、今日は又どうしたのか、客が非常に多いので、普通の二台には乗りきれないそうだ。」
「で、どうするの?」私はからだが倦くってたまらぬので、どうでもなれとおもって言った。
「僕は歩くから、君は明日の朝まで泊っておいでなさい。」
「なぜ? そしてH町で待ってるって言うのかい。