Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さかやのワンこう

酒屋のワン公

小川 未明

Leggi 酒屋のワン公 (さかやのワンこう) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 3017 caratteri · 6 schermate

Aozora Bunko

酒屋へきた小僧は、どこかの孤児院からきたのだということでした。それを見ても、彼には、頼るものがなかったのです。

ものをいうのにも、人の顔をじっと見ました。その目つきはやさしそうに見えたけれど、なんとなく、不安な影が宿っていました。

「もしや、自分のいったことが、相手の心を傷めて、しかられるようなことはないかしらん?」と、思ったがためです。

世間の心ある親たちは、そのようすをながめたときに、「親のない子は、かわいそうなものだ。」といいました。

彼は、十二、三になりましたが、年のわりあいに脊が低かった。そればかりでなく、歩く時分、二本の短い足が内輪に曲がっているから、ちょうどブルドッグの歩くときのような姿を想像させたのでした。そのことから、いつしかだれいうとなく、「酒屋のワン公」と、呼ぶようになりました。そして、この哀れな少年の本名すら知るものがありません。彼は、ついに、いつもこのあだ名で、ワン公、ワン公と呼ばれていたのです。

この少年の足は、生まれながらにして、こんなふうに、曲がっていたのではなかったのでした。不幸な境遇は、やっと、六つか七つぐらいになった時分から、赤ん坊をおぶわせられて、守りをしたからです。