Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さかやのワンこう

酒屋のワン公

小川 未明

Leggi 酒屋のワン公 (さかやのワンこう) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 3017 caratteri · 6 schermate

Aozora Bunko

このとき、どこからか、青々とした、田の上を飛んで、すがすがしい空気に、羽音をたてる一羽の黒い水鳥があったかと思うと、小川の淵に下りました。それは、くちばしの黄色い鷭だったのです。

鷭は、首を傾けて考えていましたが、やがて、流れをまっすぐにあちらへ横切ってゆきました。流れには、さんらんとして、さざなみが雨の晴れた夕空の下に生じました。

西に沈みかけていた、真っ赤な太陽は、

「おお、元気だな。」と、鷭に声をかけました。

「やさしい、酒屋の小僧さんが、途方にくれていますから、水先案内をしてやります。」と、鷭は、かわいらしい目を上げて太陽を見ました。

その夜、ワン公は、着物をぬらして帰ったといって、酒屋のおかみさんにしかられていたのです。

「こんなに、着物をぬらすなんて、おまえ、ぼんやりだからだよ。」

彼は、どんな場合にでも、自分に、同情してくれるものがないのを悲しく感じました。

白壁の蔭にたって、ワン公は、芋の葉の上に止まった露を見て、空想にふけったのです。

「自分はあの露だったら、なんの悲しいこともないだろう。お月さまが、おまえはもうすこし世の中におれといわれたら、ああして、私は芋の葉の上にころがっている。