Classici giapponesi con furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (おちぼ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 25.621 caratteri · 52 schermate
愉快だ、大木さんはえらいな、僕は人と競争なんかしない。僕は遊んでるんだ、矢野は腹で考えるつもりなのが、つい口に出てしまった。廊下に人の足音がする。やがて、
「ランプの用意をいたしましょうか。」
と女の声がする。
「なに僕が買ってくる。」
と矢野は声とともにたって下に降りた、そうしてまっすぐにちゅうちょなく本郷の表通りへくる。
「まず下宿屋の生活を楽しまねばいかない。」突然こんなことを考えついて、矢野は得意にそれを口の底にくり返して表通りへ出た。矢野はいきなり家具屋へはいってテーブル机、椅子、本箱、相当にりっぱなものを買い取り、さっそく自分の下宿へ届けるように命じた。矢野はそこを出てなおしきりに、「まず下宿屋の生活を楽しまなくてはいけない。」をくり返してる。ランプも二円以上の優等を買った。「僕は病人だろうか。」矢野の頭にまたこんな考えがわいた。「こんな病人があるものか。」矢野の頭には主人がふたりできたようだ。
矢野はそのごちゃごちゃした頭をいただいて肉屋の前に立った。豚を買うたのである。藤村で菓子も買った。「またばかなことを考える。」病人がこうして歩けるものか。